3月31日、華大九天は大規模な資産再編計画を発表したと報じられ、新和半導体の株式100%を株式発行と現金払いで買収する計画が発表されました。取引完了後、新和半導体は華大九天の完全子会社となり、同社の株式取引は同日より再開されます。
計画によると、華大九天は卓和情報を含む35人の株主に対し、1株あたり102.86元の発行価格で株式を発行し、現金払いすることで、新和半導体の株式全株を取得する予定です。同時に、中国電子公司と中国電子資本投資を割当先とする私募による資金調達も計画しており、こちらも1株あたり102.86元です。
2010年に設立された新和半導体は、電子設計自動化(EDA)ツールの開発を専門としています。同社は、シグナルインテグリティ(SI)、パワーインテグリティ(PI)、電磁界シミュレーション、電熱解析、応力シミュレーションといったコアテクノロジーを有しています。チップ、パッケージ、モジュールからPCB、そしてシステム全体に至るまで、フルスタックEDAソリューションを提供し、高度なチップレットパッケージング技術をサポートしています。
本取引は、同社のコアビジネスに以下の影響を与えます。第一に、主要EDAツールポートフォリオを補完し、フルスペクトラム、フルプロセス対応能力の構築に貢献します。第二に、半導体業界がチップ単体中心から設計・製造協調最適化(DTCO)、そしてシステム・製造協調最適化(STCO)へと急速に移行する中で、対象企業のチップからシステムまでをカバーするシミュレーション製品は、国際的な大手企業に匹敵し、上場企業のチップからシステムまでをカバーするEDAソリューションの構築に貢献します。第三に、本取引は両社の市場、人材、技術リソースを活用し、上場企業の市場競争力を強化します。
華大九天は現在、中国で唯一、アナログ回路設計向けのフルプロセスEDAツールを提供する企業であり、国内EDA市場において主導的な地位を占めています。新和セミコンダクターのマルチフィジックスシミュレーションおよびシステムレベル解析技術は、5G、スマートフォン、AI、データセンターなど幅広い分野で活用されています。今回の買収により、独立性と制御性に優れた国産EDAツールチェーンの開発が加速し、国際的な大手企業に対する競争力が強化されることが期待されます。